夏服を収める頃には
駅ビルに健と竹内は入ると
二人はエスカレーターに乗り、
五階を目指した。

健が外資系のCDショップに
行きたかったからである。

竹内が自慢げに言った。

「すげえ広くてさあ、ここ。
国内盤、輸入盤、
なんでもあるよ」

「本当?海賊盤や無修正や
違法ドラッグも?」

「ない!肩書きが容疑者や
被告になるわい!
駅ビルでそんなど根性
ある店あるか!」

洋楽ロックを聴く健にとって
今までの町ではろくなCDが
なかったので憧れの店で
ようやく買い物が出来ることに
なった。
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