夏服を収める頃には

竹内は深夜のエロティカルな番組に
ついて熱く語りだした。

健は竹内の話しに相槌を打ちながら、
淳が気分を害していないかと
気がかりだった。

淳の鼓動は激しくなっていた。

周りの生徒の大部分がＪ-ＰＯＰ
しか聞かず、洋楽を聴いていても
せいぜいチャートの上位の
ミュージシャンしかいなかった。

それなのに健は日本ではほぼ無名
のバンドを知っていた。

洋楽を聴く自分の中で最も好きな
バンドの一つが『コワルスキー』で
自分が髪型を真似たメンバーに
似ているという最大級の褒め言葉を
もらったのに緊張の為に
すぐに返事が出来なかった。