夏服を収める頃には
そして、大野は急に厳しい顔つきに
なると淳に親指を突き出してから
走り出した。

「淳。第一ミッションを
やってくるね」

「うん。ありがとう、頑張ってね」

大野が六組のドアを開けて竹内の姿を
探すがいなく、
健本人が週刊誌を広げているのが
目に入った。

「広瀬君、ちょっと」

淳との約束を早速破ることになるが
直接聞いた方が早いと判断した
大野は廊下に健を呼び出した。

「えっ、俺?」

廊下に健を連れ出すと大野は

「ちょっと歩きながら
話してもいい?」

と真剣な表情で生徒のいない
理科実験室前へ誘導した。
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