夏服を収める頃には
大野は周囲を確認してから

「私の中学時代の友達が
広瀬君を昨日、駅で見かけて
すごい気に入ったというメールが
さっき来たんだ。

それで、ストレートに聞くね。

彼女いる?

付き合っている人」

「いないよ。うん、いない」

「分かった、ありがとう。

じゃあ、友達に伝えておくね。

じゃあね」

健は大野のいう友達の言葉に
納得していいのか分からぬまま、
大野の後姿を見つめた。

「その友達って、かわいいのかなあ。

ちょっと会ってみたい」
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