夏服を収める頃には
ゲームセンターで竹内と一時間
過ごしてから竹内と別れて、コンビニ
に寄り、健は一人で昨日に続きCD
ショップへ行くと新譜の
インフォメーションを確認してから、
開いている視聴コーナー
に飛びついた。

次々と健の知らないニューカマーの
新譜に体は自然と左右に動いていた。

そしてリズムを取りながら何気なく
後ろを振り向くと、
昼休みに呼び出された大野が
立っていた。

目と目が合った。

大野は明らかに慌てた様子で
ショップから飛び出していった。

健はヘッドフォンを外した。

大野の友達が気に入ったのではなく、
大野本人が自分を気に入ったので
ないかと健は考えた。

「悪いけど、
タイプじゃないなあ」

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