夏服を収める頃には
「竹内君とゲーセンで一時間過ごして
その後、駅ビルのCDショップで
視聴してたの。

私は何聞いているのかなあって思って
後ろから近づいたところで
見つかっちゃった。テヘ」

(やっぱり音楽が健君にとって
最大の趣味なんだろうなあ)

大野は考え込む淳に両手を合わせる
真似をしてから続けた。

「ばれちゃったけど、
一個だけ良い情報があんのよ。これ!」

大野は小さい紙を淳に渡した。

淳が見るとそれはクラブで行われる
DJパーティーのフライヤーだった。

『UKナイト』と称するクラブ
パーティーが今週土曜日夜十時
スタートとあった。

このフライヤーを持参すると
500円オフとも書かれていた。

淳はこの月一回行われるパーティー
は以前から知っていて
行きたかったが、洋楽を聴く友達は
いなく、十時スタートという遅い
時間だったので行くことは
諦めていたものだった。
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