夏服を収める頃には
一枚のフライヤーから止め処もなく
妄想が淳の中から溢れてきた。

淳は目をきらめかせて言った。

「私、ここで宣言しちゃいます!

九月末迄に私は広瀬君の彼女に
なります!」

「うわあ、言っちゃった。

すごいこと言っちゃった。

でも恋愛へたれの淳にそんな急に
積極性って出てくるの?」

「うっ・・・」

鋭い指摘を受けて表情が曇った淳に
大野が諭すように言った。

「あんまり無理しないほうが
いいんじゃない?」

「じゃあ・・・十月一日まで?」

「ほとんど同じでしょ。
一日しか違わない」
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