夏服を収める頃には
「そんじゃあ、席はあそこな。
教科書は週末までに来るからよ。
それまで隣の奴に見せてもらえ。

おい、竹内。
そうゆうことだから教科書、
広瀬に見せてやってくれ」

「はい」と答えた席の横に健は
歩いた。

教室の一番後ろに座っている
男子生徒の竹内誠が片手を上げて
健を歓迎した。

「俺、竹内誠。宜しく」

「こちらこそ、宜しく」

前にすわっている多くの生徒が
健を見つめた。

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