夏服を収める頃には
淳は泣きそうになりながら、
ここですぐそばにいる健に話し
かけられたら計画は終わってしまう
ので、顔を鞄で隠しながら一気に靴を
履き替えると、飛び出すように
学校から走り去った。

ある程度進んでから振り返ると、
健の姿はまだ見えなかったので、
目の前にあるコンビニに入り
音楽雑誌を少し立ち読みをした。

健との会話で洋楽の話題が出ることは
必至だったからである。

コンビニを出て、振り返ると健の姿が
確認出来たので、再び駅ビル迄
走り出そうとした瞬間に
前に立っていた上品な高齢の女性に
話しかけられた。
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