夏服を収める頃には
健は予約していたCDをカウンターで
受け取り支払いを済ませて
振り返ると、黒いスーツの女性に
話しかけられた。

「そんなの聞くんだ」

一瞬誰だか分からなかったが
話しかけてきたのが亜子だと
分かると健は笑顔で答えた。

「青山先生!

先生も音楽好きなんですか?」

「学生時代は聞きまくったのよ、
これでも」

「先生は学校でもスーツ姿ですけど、
こういう場所だとなんか雰囲気が
違いますね」

「何それ?どういうこと?」

「学校より明るいというか、
その・・・スタイリッシュに
見えます」

「よく言われる!」

「うひゃあ」
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