夏服を収める頃には
「前の学校でクラブとかやってた?」

「誕生日って、いつ?」

「趣味って、何?」

「健君、お昼持ってきた?」

休み時間になると一斉にクラスの
男子も女子も健の周りを囲んだ。

「おいおい、そんなに一斉に
質問すんなよ。

広瀬健専属マネージャーである
この竹内誠を
通してから質問してくれ」

竹内が気取って話すがみんなは
無視して質問は続いた。

「駅ビル行った?前の県ならあれだけ
大きい商業施設ってないでしょ?」

「うん、なかった。

帰りに寄るつもりだけど」

< 7 / 220 >

この作品をシェア

pagetop