夏服を収める頃には
「せん・・・あの、留守電来てる
みたいですよ」

健の指摘に亜子は困ったような
表情で答えた。

「最近さあ、通販に亜子ははまってて
それで商品のサイズとか色違いで
言い間違い、聞き間違いが
多くてさあ。

それでいっつも業者ともめてんの。

だからそれよ。

後でかけるから、いいの」

「通販を買いまくりですか、
先生」

「あっ、また言った。

亜子、これから着替えるから
見ないでよ」

「見ませんよ」

「絶対よ」

「だから見ませんって」

亜子はMDコンポのスイッチを
押してから、奥の部屋に消えた。
< 71 / 220 >

この作品をシェア

pagetop