夏服を収める頃には
五、六年前の洋楽のバラードが
流れてきた。

音楽の趣味はあまり良くないことに
健は苦笑いをした。

麦茶を飲み干したのでキッチンに
コップ持っていき水で軽く洗おうと
すると後ろから声をかけられた。

「もういいよ」

振り向くとTシャツとハーフパンツ
姿の亜子が立っていた。

学校ではいつもスーツ姿なので
分からなかったが
亜子のスタイルの良さが
はっきりと分かった。

健は長く細い足に目を
奪われてしまった。

亜子はわざと思ってもいないことを
健に言って反応を楽しんでみた。

「ああ、なんか健君、
目がいやらしくない?」



< 72 / 220 >

この作品をシェア

pagetop