夏服を収める頃には
一向に自分と目を合わさない健が
亜子はたまらなく愛おしかった。

健は真面目で決していやらしい目つき
で亜子を見なかったことがすごく
気に入ったからだ。

(健君の場合はゆっくりと
関係を深めていこう)

健が考えていたかのように叫んだ。

「ごちそうさま。

宿題あったの忘れてました。

じゃあ、僕これで帰ります」

健は玄関に向かうと亜子が着いてきて
健の前に立ち健の目を見つめた。

「毎週、木曜日」

「えっ?」

「これから毎週木曜日に会う約束ね」

「毎週・・・ですか?」
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