夏服を収める頃には
「番号とアドレス交換しよう。

さあ早く」

健は鞄の中から携帯電話を出した。

健は亜子の足に視線が行きそうに
なったがアドレスを交換すると
ドアノブに手をかけた。

「じゃあ失礼します」

「勿論分かっていると思うけど、
今日のことは誰にも内緒よ。

学校では先生だからね、亜子」

健は亜子の熱い視線を感じながら
頷いた。

「はい、分かってます」

健は逃げるように亜子の部屋から
飛び出して行った。

亜子はドアをロックすると
呟いた。

「健君に恋の魔法をかけちゃった」
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