夏服を収める頃には
その後は小さいCDショップのはしご
をした。

健の目の色が変わったので淳は
うれしかった。

土日の淳の門限は六時だったので、
夕方になると淳は腕時計を
何度も見直した。

(まだ帰りたくない。

もっと広瀬君といたい)

「六時門限でしょ?

そんじゃあ、そろそろ帰りますか」

「うん・・・」

淳は俯いて健の後ろに続いた。

青葉駅で二人はお互いの家が逆方向
の為に向かい合うホームとなった。

健はいつも竹内とする敬礼を周囲に
人がいるので一瞬だけすると、
淳もちょっとだけ真似をした。

健のホームに電車が入り、すぐに
電車は発車した。

淳を寂しさが襲った。
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