夏服を収める頃には
「小田島さんが
おにぎり作ったの?」

「勿論!」

「勿論、賞味期限切れの
食材だけで?」

「違う!

私が新鮮な食材だけで作ったの!

さっき!」

「軍足を履いた足で?」

「この手で!」

「野良犬とじゃれあった手で?」

「洗った手で!」

ホームに淳の絶叫がこだました。

二人は周囲の客の視線に気付いて
少しホームの位置を移動した。

淳は顔を赤らめて俯いたまま

「広瀬君が変なことばっかり
言うからだよ」

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