夏服を収める頃には
「急用が出来たので次の日曜に
絶対に行く」と何度も誤り、
電話を切るとすぐ冷蔵庫の中を
確認した。

二人分のお昼を作る為になにが
あるのかを見たのだ。

今朝は早起きして、母親の手伝いを
断ってなんとか自力で弁当を作り、
ここにいたったのだ。

(出来れば、広瀬君。今日告白
してくんないかなあ。

私が広瀬君を好きなことは
気付いてないのかなあ)

昨日の夜から淳はそればかり
考えていた。

淳は窓の外を見つめる健の横顔を
見つめた。

健がそれに気付いて言った。

「ちょっと、何?

そんなにじっくり見ないでくれる、
俺の顔。

整形してるのばれるから」

淳は笑いを堪えながらも聞いた。

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