陽だまりのなかで

病室を出て行った理斗は病院の廊下を歩きながら電話をかけていた。
昨日の事と、遅れることを学校に伝えなくてはいけなかったからだ。
「さて次は神崎の家か。出るか？」
昨日は、母親に電話しだが忙しくて出られなかったのか、今朝もスマホは鳴らなかった。美弥の家は母子家庭で大変なのも理斗は、知っている。
やはり家族は知っておくべきだな。そう思い電話をかけようとしたその時だった。
理斗のスマホが鳴ったのだ。
相手は美弥の母親だった。事情を説明すると何度も謝ってきた。優しい声で神崎に少し似ていると理斗は思った。
「私は、大丈夫のなのでなるべく早く美弥さんに会いに来て下さいね」
電話を切ると理斗は安心様に一息ついた。