君をひたすら傷つけて
「雅。好きだよ。ずっと好きだった。初めて会った時からずっと」
高取くんの言葉は私に喜びと一緒に心に傷を残した。血が滴るように痛みを感じたけど同時に胸が苦しくなるほど幸せを感じた。私は欲しかった言葉であり、隠していた高取くんの思い。私と高取くんの間には壁があって、それは高く空まで続いている。でも、少しだけ飛び越えるハシゴを昇れた気がする。
「私のこと愛している?愛していると言って」
「我が儘だね。好きで大事な人ってだけでは足りないの?」
「足りない」
もう一歩だけ私は高取くんに近づいた。高取くんは少し背中を伸ばすようにしてから私を真っ直ぐに見詰めた。
「…愛している。雅を愛している」
言葉を反芻しながら高取くんは涙を流していた。彼にとってこの言葉を口にするのは私よりももっと勇気が必要だったかもしれない。置かれている状況を理解し受け入れるように処してきた自分を乱す。そんな私の受け入れるのは容易ではない。何も言わずにただ傍に居るだけの方が苦しめなかったかもしれない。それでも私は自分の恋心を伝えた。
「私も愛している」
綺麗な涙を私はそっと唇で拭う。そして、ゆっくりと私と高取くんの唇が重なる。触れただけなのに、身体に電流が流れたように感じ、唇から広がる愛しさに私も大粒の涙を流すのだった。
高取くんの言葉は私に喜びと一緒に心に傷を残した。血が滴るように痛みを感じたけど同時に胸が苦しくなるほど幸せを感じた。私は欲しかった言葉であり、隠していた高取くんの思い。私と高取くんの間には壁があって、それは高く空まで続いている。でも、少しだけ飛び越えるハシゴを昇れた気がする。
「私のこと愛している?愛していると言って」
「我が儘だね。好きで大事な人ってだけでは足りないの?」
「足りない」
もう一歩だけ私は高取くんに近づいた。高取くんは少し背中を伸ばすようにしてから私を真っ直ぐに見詰めた。
「…愛している。雅を愛している」
言葉を反芻しながら高取くんは涙を流していた。彼にとってこの言葉を口にするのは私よりももっと勇気が必要だったかもしれない。置かれている状況を理解し受け入れるように処してきた自分を乱す。そんな私の受け入れるのは容易ではない。何も言わずにただ傍に居るだけの方が苦しめなかったかもしれない。それでも私は自分の恋心を伝えた。
「私も愛している」
綺麗な涙を私はそっと唇で拭う。そして、ゆっくりと私と高取くんの唇が重なる。触れただけなのに、身体に電流が流れたように感じ、唇から広がる愛しさに私も大粒の涙を流すのだった。