君をひたすら傷つけて
慎哉さんと私の間には壁がある。それは今まで長い間、兄妹のような関係だったからだと思うけど、慎哉さんは私に触れることに臆病なように感じる。まりえのマンションから戻ってきて、一緒にベッドで寝るようになって、毎晩、寝る前にキスをするようになって……。そして、今日は婚姻届を提出して、名実共に夫婦となる。
結婚もするのに、キス以上のことを慎哉さんはしない。子どもがお腹にいるのだから、仕方ないと分かるけど、抱きしめてくれる以上のことはなかった。
だから、こんな風に不意にキスをされると嬉しい。自分の中にある少しの不安が薄れていく気がした。好きだと言われたし、愛しているとも言われる。でも、自分に自信がないからかもしれないが、どうしても気になる。
もしかしたら、責任を感じているだけではないかと。
「何考えてる?」
「ううん。何もない」
「そんなことないな。何年一緒に居ると思っている?雅がさっきから、少し惑っていることも分かっているよ。今日、結婚するんだ。だから、少しでも不安に思うなら、それは取り除いてからがいい。結婚したくないというの以外なら、雅の望みをかなえるよ」
大事な婚姻届提出の朝にこんなことになってしまった。でも、慎哉さんのいうのも一理ある。私は自分に自信がなかった。妹として愛されている自信はあるけど、女として愛されている自信がない。
「慎哉さん。私と結婚して後悔しない?」
「は?それはどういう意味だ?」
結婚もするのに、キス以上のことを慎哉さんはしない。子どもがお腹にいるのだから、仕方ないと分かるけど、抱きしめてくれる以上のことはなかった。
だから、こんな風に不意にキスをされると嬉しい。自分の中にある少しの不安が薄れていく気がした。好きだと言われたし、愛しているとも言われる。でも、自分に自信がないからかもしれないが、どうしても気になる。
もしかしたら、責任を感じているだけではないかと。
「何考えてる?」
「ううん。何もない」
「そんなことないな。何年一緒に居ると思っている?雅がさっきから、少し惑っていることも分かっているよ。今日、結婚するんだ。だから、少しでも不安に思うなら、それは取り除いてからがいい。結婚したくないというの以外なら、雅の望みをかなえるよ」
大事な婚姻届提出の朝にこんなことになってしまった。でも、慎哉さんのいうのも一理ある。私は自分に自信がなかった。妹として愛されている自信はあるけど、女として愛されている自信がない。
「慎哉さん。私と結婚して後悔しない?」
「は?それはどういう意味だ?」