君をひたすら傷つけて
バスルームは広く、バスタブも二人で入れるほどの大きさだった。そんな広すぎるバスタブの中で私は自分の膝を抱えて、クルクルと回る考えごとに耽っていた。お風呂に入る前に慎哉さんの放ったバズーカ砲は私を直撃し、硬直させていた。
『今日、抱くから』
婚姻届を提出した今、抱かれることは自然なことで、悩む必要もなければ、実際は宣言される必要もない。妊娠しているとはいえ、安定期に入ってきたので、緩やかに抱かれるなら何も問題はなかった。でも、私が驚いてしまったのは、全く想像してなかったからだと思う。さっきまで、全くそんな素振りは見せなかった。
それどころか、慎哉さんのマンションに戻って、一緒のベッドに寝ていても、求められることはなかったので驚いてしまう。キスして、背中を優しく撫でられて眠ることに慣れてしまっていた。
考えてみれば、愛している人に抱かれることに驚くことの方が可笑しい。嫌かと言われたら、嫌ではない。でも、怖いと思う気持ちはある。何であの時にそういうことを言ったかは、敢えての事だと思う。
いきなりで驚かないようにとの優しさだというのは分かる。嫌と私が拒めば、きっと、慎哉さんはいつものように抱き寄せて眠るだけだと思う。私は抱かれたいのか、それとも嫌なのか……。自分の気持ちが纏まらなかった。
少なくとも嫌ではない。でも、恥ずかしい気持ちもある。
フィレンツェの夜はワインで酔っていたから、酔いも加勢したけど、今日は炭酸水で、酔うことはなかった。慎哉さんも楽しむ程度にしか、ワインは飲んでない。だから、酔いに任せてではない。
『今日、抱くから』
婚姻届を提出した今、抱かれることは自然なことで、悩む必要もなければ、実際は宣言される必要もない。妊娠しているとはいえ、安定期に入ってきたので、緩やかに抱かれるなら何も問題はなかった。でも、私が驚いてしまったのは、全く想像してなかったからだと思う。さっきまで、全くそんな素振りは見せなかった。
それどころか、慎哉さんのマンションに戻って、一緒のベッドに寝ていても、求められることはなかったので驚いてしまう。キスして、背中を優しく撫でられて眠ることに慣れてしまっていた。
考えてみれば、愛している人に抱かれることに驚くことの方が可笑しい。嫌かと言われたら、嫌ではない。でも、怖いと思う気持ちはある。何であの時にそういうことを言ったかは、敢えての事だと思う。
いきなりで驚かないようにとの優しさだというのは分かる。嫌と私が拒めば、きっと、慎哉さんはいつものように抱き寄せて眠るだけだと思う。私は抱かれたいのか、それとも嫌なのか……。自分の気持ちが纏まらなかった。
少なくとも嫌ではない。でも、恥ずかしい気持ちもある。
フィレンツェの夜はワインで酔っていたから、酔いも加勢したけど、今日は炭酸水で、酔うことはなかった。慎哉さんも楽しむ程度にしか、ワインは飲んでない。だから、酔いに任せてではない。