君をひたすら傷つけて
「ありがとうございます。あったかいです」
「それはよかった」
「ありがとうございます。私の我が儘で心配させました」
お兄さんに買って貰ったカフェオレの缶は少し熱いくらいで悴んだ指先をゆっくりと温めていく。口に広がるカフェオレの味は優しく温かい。缶に入ったカフェオレはいつも甘いと思うことが多いのに、今日は甘さが控えめの様に感じた。
お兄さんは自分用に買ったブラックコーヒーを横のブランコに座って飲んでいた。
「もう三月なのにまだまだ寒いね。少し身体が温まったら家まで送るよ。それと我が儘とか思ってないから」
「本当に?」
「ああ。私は何があっても藤堂さんの味方をする。義哉の代わりに守るよ」
私は一人じゃない。義哉への思いは私よりももっと深いお兄さんもきっと私以上に傷ついている。それでも私の味方をしてくれ、守ってくれるのだろう。
私はカフェオレを飲みながら軽くブランコに揺られ、既に星の瞬く空を見上げた。こんな風に星を見上げたのはいつ以来だろう。それくらいに私は心の余裕を無くしていたのだと思い知る。
「星が綺麗です。こんなにゆっくりと星を見るのは久しぶりです」
「私も星を見る余裕はなかったんだな。藤堂さんと同じだね」
「それはよかった」
「ありがとうございます。私の我が儘で心配させました」
お兄さんに買って貰ったカフェオレの缶は少し熱いくらいで悴んだ指先をゆっくりと温めていく。口に広がるカフェオレの味は優しく温かい。缶に入ったカフェオレはいつも甘いと思うことが多いのに、今日は甘さが控えめの様に感じた。
お兄さんは自分用に買ったブラックコーヒーを横のブランコに座って飲んでいた。
「もう三月なのにまだまだ寒いね。少し身体が温まったら家まで送るよ。それと我が儘とか思ってないから」
「本当に?」
「ああ。私は何があっても藤堂さんの味方をする。義哉の代わりに守るよ」
私は一人じゃない。義哉への思いは私よりももっと深いお兄さんもきっと私以上に傷ついている。それでも私の味方をしてくれ、守ってくれるのだろう。
私はカフェオレを飲みながら軽くブランコに揺られ、既に星の瞬く空を見上げた。こんな風に星を見上げたのはいつ以来だろう。それくらいに私は心の余裕を無くしていたのだと思い知る。
「星が綺麗です。こんなにゆっくりと星を見るのは久しぶりです」
「私も星を見る余裕はなかったんだな。藤堂さんと同じだね」