君をひたすら傷つけて
生きるということを義哉に出会うまでの私は考えたことがなかった。義哉を失って、義哉本人も苦しかったと思う。でも、周りも苦しんだ。ご両親にお兄ちゃんも私以上に苦しんでいた。みんな前向きに真っ直ぐに歩んでいて、私もやっと前に進むことが出来始めている。リズのお蔭で感じることの出来た『生』に私は愛おしさを感じた。
義哉を失っての私は身体は生きているものの心は死んでいた。時間が癒してくれてはいたけど簡単に感知できるほどの浅い傷ではない。それでも今日という一日は確実な一歩を踏み出すことが出来た。今の私を見たら少しは義哉も安心してくれるかもしれない。
そんなことを思う。
「それならよかったわ。今日は本当にありがとう。私はまだ打ち合わせとかあるから残るけど雅はもう帰ってもいいわ。帰りはタクシーを使ってね。領収書は取っておいてよ」
「まだそんなに遅くないから、地下鉄で帰るから大丈夫よ。リズは私の事よりも仕事を大事にして」
「それはダメよ。仕事を行う時にアシスタントが帰りに何かあったら管理問題になる。それは仕事の面だけど、私は雅の友達として心配してしまうの。だからタクシーを必ず使って。分かった」
「うん。でも本当に大丈夫なのに」
「ここは日本じゃないの。比較的安全な地域ではあるけど気を抜かないで」
「リズのいう通りにするわ」
「まりえに伝言。帰ったらスープが飲みたいって伝えて」
「わかった。今日は私も楽しかった。本当にありがとう」
そう言った私にリズは綺麗な微笑みを向けた。
「日本人はこういうところが律儀よね」
義哉を失っての私は身体は生きているものの心は死んでいた。時間が癒してくれてはいたけど簡単に感知できるほどの浅い傷ではない。それでも今日という一日は確実な一歩を踏み出すことが出来た。今の私を見たら少しは義哉も安心してくれるかもしれない。
そんなことを思う。
「それならよかったわ。今日は本当にありがとう。私はまだ打ち合わせとかあるから残るけど雅はもう帰ってもいいわ。帰りはタクシーを使ってね。領収書は取っておいてよ」
「まだそんなに遅くないから、地下鉄で帰るから大丈夫よ。リズは私の事よりも仕事を大事にして」
「それはダメよ。仕事を行う時にアシスタントが帰りに何かあったら管理問題になる。それは仕事の面だけど、私は雅の友達として心配してしまうの。だからタクシーを必ず使って。分かった」
「うん。でも本当に大丈夫なのに」
「ここは日本じゃないの。比較的安全な地域ではあるけど気を抜かないで」
「リズのいう通りにするわ」
「まりえに伝言。帰ったらスープが飲みたいって伝えて」
「わかった。今日は私も楽しかった。本当にありがとう」
そう言った私にリズは綺麗な微笑みを向けた。
「日本人はこういうところが律儀よね」