君をひたすら傷つけて
「リズはあの後大丈夫だった?パーティは盛り上がった?」

「うん。大丈夫よ。パーティはとても盛り上がったけど、長引いたの。早く終わるなら雅も一緒にとは思ったけど最初でオールナイトのパーティは申し訳なくて。雅、昨日はありがとう。本当に助かったわ」

「リズの仕事しているところを見れてよかったと思う。凄く素敵だったし、凄かった。仕事をするという意味を見た様な気がしたの」

 それは私の本音だった。一晩寝て、少し落ち着いたとしてもリズの仕事ぶりに対する称賛の気持ちは収まる気配はない。それどころか、スタイリストとして自分の道を真っ直ぐ歩くリズに眩しいものを感じた。私は前を向いて歩き出したばかり、そのうちリズのように何か真剣に打ち込めるものが出来ればいいと思う。まだ何も決まってないし、先は見えない。

 リズのように自分の好きなことを追求する。
 
 それって簡単なようで難しいことだと思う。


「好きな仕事だからかもしれないわ。今の仕事が好きなの」

 そういうと、リズはハッと何かを思い出したかのように立ち上がると、自分の部屋に行き、何か袋のようなものを持ってきたのだった。真っ白な封筒にはピンクの花が印刷してある。

 そんな綺麗な封筒だった。
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