君をひたすら傷つけて
「雅の親は大丈夫って?」
「うん。自分の人生だから好きにしなさいって。でも、困ったことがあったら必ず連絡するようにと念を押された」
「そう。じゃ、雅がスタイリストになるために協力する。一緒に頑張ろ」
「よろしくお願いします」
リズは私がフランスに残ることを大歓迎してくれた。それにまりえも。私はここに来てよかったと思う。一番勉強したいことを私は見つけたのは本当によかった。ワインで三人で乾杯した後に自分の部屋に戻ると少し身体の奥が熱くなっていた。それはこれからの生活の期待と不安。そして、思い出したのがお兄ちゃんのことだった。
今回のフランスにスタイリストになるために残ることを私は自分の親には相談したけど、お兄ちゃんには相談しなかった。それはお兄ちゃんに…義哉の声に重なる声に何か言われると抗えそうもなかったからだった。
自分の気持ちに素直に言葉にすればいいだけ、そしてお兄ちゃんは反対しないと思う。でも、言えなかった。
私がお兄ちゃんの携帯に電話をしたのは何度も迷った末のことだった。携帯を握りしめ、私はお兄ちゃんの番号を画面に出す。そして、深呼吸をしてから画面を指で撫でた。
『雅。久しぶりだな。元気にしているか?』
画面に指を滑らせてから、しばらくして私の耳にお兄ちゃんの声が届く。渡仏した当初は寂しさもあり、時間がある時は電話をしていた。でも、この頃はメールばかりだった。お兄ちゃんの仕事が忙しいのもあるし、時差もある。
「うん。自分の人生だから好きにしなさいって。でも、困ったことがあったら必ず連絡するようにと念を押された」
「そう。じゃ、雅がスタイリストになるために協力する。一緒に頑張ろ」
「よろしくお願いします」
リズは私がフランスに残ることを大歓迎してくれた。それにまりえも。私はここに来てよかったと思う。一番勉強したいことを私は見つけたのは本当によかった。ワインで三人で乾杯した後に自分の部屋に戻ると少し身体の奥が熱くなっていた。それはこれからの生活の期待と不安。そして、思い出したのがお兄ちゃんのことだった。
今回のフランスにスタイリストになるために残ることを私は自分の親には相談したけど、お兄ちゃんには相談しなかった。それはお兄ちゃんに…義哉の声に重なる声に何か言われると抗えそうもなかったからだった。
自分の気持ちに素直に言葉にすればいいだけ、そしてお兄ちゃんは反対しないと思う。でも、言えなかった。
私がお兄ちゃんの携帯に電話をしたのは何度も迷った末のことだった。携帯を握りしめ、私はお兄ちゃんの番号を画面に出す。そして、深呼吸をしてから画面を指で撫でた。
『雅。久しぶりだな。元気にしているか?』
画面に指を滑らせてから、しばらくして私の耳にお兄ちゃんの声が届く。渡仏した当初は寂しさもあり、時間がある時は電話をしていた。でも、この頃はメールばかりだった。お兄ちゃんの仕事が忙しいのもあるし、時差もある。