君をひたすら傷つけて
「ありがとう。リズ。リズの言葉に少し心が軽くなった」

「それならよかったわ。さてと、私はもうそろそろ寝るわ。夜更かしは美容に悪いわよ。アルベールは綺麗な男だから、雅も美容には気を付けた方がいいわ。特別な関係になった男が自分より綺麗って結構な屈辱じゃない?顔かたちはともかくお肌は綺麗にしないとね。今度、私のテクで綺麗にしてあげるからね。オシャレはして損はないわ」

 アルベールは肌が綺麗で透きとおるほどの透明感を持っている。それに比べて私は極々普通のお手入れしかしてない。疲れと共に肌荒れもやってくる。いくら化粧で誤魔化せるとしても出来るだけ状態はいいに決まっている。

「リズに綺麗にして貰えるなら安心」

「女の子は素直が一番。私に任せておきなさい。今度のデートまでに綺麗に磨き上げてあげるから。で、アルベールにいつ会うの?」

今度のデート…それって今日のこと??

「今日…かな?仕事が終わったら連絡があると思うけど」

「もう日が変わっているから、今日ってことよね」

「うん。明日はアルベールは雑誌の撮影みたい」

「雅はディーの所で打ち合わせよね」

「うん。今度のコレクションの打ち合わせを兼ねての会議」

 私がそういうと、リズはすごーく嫌な微笑みを浮かべたのだった。一瞬で何かを企んだのではないかと思うのは邪推じゃない。そのくらい表情に現れていた。
< 380 / 1,105 >

この作品をシェア

pagetop