君をひたすら傷つけて
「よかったわね。私がスタイリストで。雅はついているわよ。私のような凄腕のスタイリストが傍にいるんだから。会議も私が一緒に出るから明日はアルベールの事だけを考えていたら?」


「え?」

「とりあえず、シャワーを浴びてすぐに寝て。で、明日は私に任せてね。可愛くしてあげるから。アルベールはどんな女の子が好みなのかしら?可愛いのがいいのかスタイリッシュがいいのか?それともセクシー系?」

「明日は会議があるわ」

「そうね。でも一日中会議じゃないでしょ。それにディーの所なら色々と動きやすいし、小物もある」

 妙に張り切るリズに不安を感じるのは一抹どころではない。仕事が忙しいのなら、仕事に没頭してくれていいと思うのに張り切り様はなんだろう。

「お気持ちだけで充分。あ、明日はスカートを着て行くから、それでいいでしょ」

「安心して任せて」

 問答無用とばかりにニッコリと笑うリズの前に私は溜め息を零す。考えてみれば、もう日付が変わる時間の今、リズが私のことをどうにかするにしても時間が足りないはず。そう考えると、リズに綺麗にお化粧して貰うくらいかもしれない。

 髪のセットはしてくれると思うけど、私の持っている服に綿密なセットは必要ない。

「リズにお任せにするわ」
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