君をひたすら傷つけて
シャツも真っ白で清潔感溢れるけど胸の大きなふくらみを強調しているし、ボタンを外された合わせ目からはくっきりとした谷間が見える。隠すつもりもないようだった。ひざ上30センチのタイトスカートの下には形のいい足が伸びていた。

 顔は小さいのに目がとても大きくぱっちりとした目は吸い込まれそうなほどにキラキラ輝いていた。スッと鼻筋は通っていて、少しぽってりとした唇はグロスで艶を載せてある。右の目の下に小さなほくろがあるのも妙に色っぽい。

 真っ白な肌に真っ黒な髪…そして、真っ黒な瞳。

 艶やかな黒髪はこれ以上ないくらいに豪奢に巻かれていて肩の辺りで揺れていた。そして、呆気に取られる私を見てゆっくりと口の端を上げる。

「あなたがリズの友達の雅ね。エマ・ジョンソンです」

 流暢過ぎるフランス語だった。ずっとフランスの居たのだから言葉には不自由しないけど、アメリカ人のエマさんとは英語で話すものだと思っていたので驚いてしまった。

 私もフランス語で挨拶をする。日本語でも英語でもないフランス語で挨拶をすることになるとは思わなかった。

「藤堂雅です。よろしくお願いします。会社登記の手伝いをどこまで出来るかわかりませんが一生懸命したいと思っています」

「本当に助かるわ。私は日本語は話せるけど読んだり書いたりするのは苦手なの。だから、雅が来てくれて助かるわ。じゃ、仕事に掛かって貰っていいかな?」
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