君をひたすら傷つけて
「今、受けている仕事内容はパソコンで管理しているから雅のIDの登録をしないといけないわね。まだ登記はしてないけどアメリカの時からの顧客は居るので早く仕事に入らないと間に合わないの。午後から会社の登記をして会社設立で、明日からは本格的に活動開始の予定なの。クライアントの挨拶も明日からの予定」

 あまりの勢いに気圧される気がした。

「分かりました。まず、IDの登録から始めます」
「そうね。よろしく」

 明日から本格的に始動なら一緒に打ち合わせをしてスケジュールの確認なんか甘いことは言ってられないと思った。まず、自分が把握しないといけない。

「わかりました。すぐ、仕事に入ります」

 エマさんの言葉にスッと何かスイッチが入ったような気がした。私は着ていたジャケットを脱ぐとパソコンを開き、必要な情報を引き出していくことにした。IDの登録が終わるとこれからのスケジュールを見て唖然とした。

 この立地にオフィスを維持出来るだけの規模の仕事が並んでいて、は明日の早朝からの雑誌のロケでスタイリストが同行しないといけないようだった。

「凄いです」

「凄くないわ。でも、忙しくなるわ。スタッフは私と雅しかいないし。後は事務の女の子が一人いるの。事務の子は今、コーヒーを買いに行っているわ。まだ、コーヒーメーカーの準備も出来てないから、私と雅とその子の分のコーヒーを買ってきて貰うように頼んだの。会社登記をしないと求人も出来ないから、しばらくは三人でやっていくから覚悟しておいて」
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