君をひたすら傷つけて
お兄ちゃんの車の助手席に座ると、ゆっくりと私へのマンションへの道を動き出した。日付が変わった後の時間だからだろう。いつもはイライラするくらいの道も一本の道が続くかのように真っすぐに進む。お兄ちゃんは時折話しかけてくるけど、移ろいかけた私のことを思ってか、言葉は少なめだった。
私は心地よい声を聞きながら、今日の撮影の酔いを醒ましていた。激しく焚かれるフラッシュに眩さを感じ、その光に魅せられ、もっと、自分に力が欲しいと思った。あの一筋の髪をどちらに流せば、もっと、魅惑的に見せられるか。シャツの色は肌の美しさを映えさせられるように、もっと、篠崎海を輝かせたい。
そして、車は私のマンションの前に止まった。そして、マンションを見上げたお兄ちゃんが眉を顰めた。
「雅。出て来る時、電気消したか?」
「え?」
「あの一つだけ電気の付いている部屋って、雅の部屋じゃないか?」
真夜中のマンションで自分の部屋の辺りの窓が煌々と明かりを零している。車から降りてみるとそれは私の部屋に間違いなく、カーテンも引かれてない明かりは外から三階の私の部屋は少し高い建物からは丸見え状態だろう。自分の記憶を辿って……。電気を消し忘れた記憶はなかった。
「消し忘れたのかな?そんなはずないけど」
「部屋の前まで送る。車をパーキングに入れるから、このまま乗ってて」
私は心地よい声を聞きながら、今日の撮影の酔いを醒ましていた。激しく焚かれるフラッシュに眩さを感じ、その光に魅せられ、もっと、自分に力が欲しいと思った。あの一筋の髪をどちらに流せば、もっと、魅惑的に見せられるか。シャツの色は肌の美しさを映えさせられるように、もっと、篠崎海を輝かせたい。
そして、車は私のマンションの前に止まった。そして、マンションを見上げたお兄ちゃんが眉を顰めた。
「雅。出て来る時、電気消したか?」
「え?」
「あの一つだけ電気の付いている部屋って、雅の部屋じゃないか?」
真夜中のマンションで自分の部屋の辺りの窓が煌々と明かりを零している。車から降りてみるとそれは私の部屋に間違いなく、カーテンも引かれてない明かりは外から三階の私の部屋は少し高い建物からは丸見え状態だろう。自分の記憶を辿って……。電気を消し忘れた記憶はなかった。
「消し忘れたのかな?そんなはずないけど」
「部屋の前まで送る。車をパーキングに入れるから、このまま乗ってて」