君をひたすら傷つけて
 こんなに一日が長かったのだろうか?


 私は早く総合病院に行きたいと思っていた。お兄さんが行った先に高取くんが居るかどうか分からない。昨日のお兄さんの様子を思い出すとどうしても総合病院に高取くんが居るような気がして仕方ない。学校が終わるとすぐに私は総合病院に向かうことにした。塾に行く前にどうしても私は確かめたかった。


 お兄さんが昨日入って行った総合病院は私の通っている塾の最寄駅から歩いて行ける場所にある。そんな総合病院に来た私は総合受付の前で立ち止まってしまった。

 来るだけ来てしまったがここに高取くんは居るのだろうか?塾が終わる遅い時間に病院に行くのは遅い時間まで面会を許された家族だけだと思う。だから勇気をだして受付の女性に聞いてみた。


「すみません。高取義哉さんの部屋はどこでしょうか?」


 居ない方がいい。何かの間違いだったらいいと思っていた。

「どのようなご関係ですか?」

「学校のクラスメートです」

「そうですか。402号室になります。では、こちらの面会受付表に名前を書いて貰えますか?」

 私は名前と連絡先を書くと私は病室までに行き方を教えて貰った。


 部屋番号も行き方も分かった。


 でも、そのまま病室に行く気になれず、少し離れた場所にあるソファに座った。違っていて欲しいとも思った。でも、この病院に高取くんが入院している。病室に行くのは簡単だけど、あれだけメールを送ったのに全く返事は帰ってこない。

 そう思うと、足が動かなかった。
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