君をひたすら傷つけて
第十章
結婚式
里桜ちゃんのご両親と一緒に観光をしてからフィレンツェに予定通りのスケジュールで入った。里桜ちゃんのご両親との観光は二人の気さくさに救われたようなものだった。里桜ちゃんがミラノに行った後、お互いにぎこちなさはあったが、それは時間が解決してくれた。
「おば様」「雅さん」と呼び合い、最後は「雅ちゃん」と呼ばれるようになり、距離も近づく。それも良かった。私は高校の時以来、自分の親とこんな風に旅行に行ったことはない。新鮮な気持ちだった。
「ここですね」
篠崎さんと里桜ちゃんの結婚式を行うフィレンツェの教会に入ったのは私たちが先だった。見上げた教会は大聖堂のような荘厳さないけど、可愛らしさ美しさを持った教会だった。
『花の都』『天井のない美術館』と言われるだけあって、その美しさと歴史を刻む街にフィレンツェはいい天気だった。優美な街並み、そして、目の前に聳え立つ。
柔らかなライトカラーの大理石で作られたゴシック様式の建造物の入り口には大きなアーチをたたえ、奥にはダークブラウンの木製ドアがある。私は荷物を持って、教会へのアイアンの門をくぐった。手入れが行き届いた道をゆっくり歩くと、そこにあったのは青い空に映える十字架だった。
その下には大きなステンドグラスが飾られてあり、ステンドグラスに描かれているのは宗教画だった。
「素敵ね。ここは篠崎さんが選んだのかしら」
そう聞いていたのは里桜ちゃんのお母さんだった。
「だと思います。篠崎さんは里桜ちゃんのことしか考えてませんので」
「おば様」「雅さん」と呼び合い、最後は「雅ちゃん」と呼ばれるようになり、距離も近づく。それも良かった。私は高校の時以来、自分の親とこんな風に旅行に行ったことはない。新鮮な気持ちだった。
「ここですね」
篠崎さんと里桜ちゃんの結婚式を行うフィレンツェの教会に入ったのは私たちが先だった。見上げた教会は大聖堂のような荘厳さないけど、可愛らしさ美しさを持った教会だった。
『花の都』『天井のない美術館』と言われるだけあって、その美しさと歴史を刻む街にフィレンツェはいい天気だった。優美な街並み、そして、目の前に聳え立つ。
柔らかなライトカラーの大理石で作られたゴシック様式の建造物の入り口には大きなアーチをたたえ、奥にはダークブラウンの木製ドアがある。私は荷物を持って、教会へのアイアンの門をくぐった。手入れが行き届いた道をゆっくり歩くと、そこにあったのは青い空に映える十字架だった。
その下には大きなステンドグラスが飾られてあり、ステンドグラスに描かれているのは宗教画だった。
「素敵ね。ここは篠崎さんが選んだのかしら」
そう聞いていたのは里桜ちゃんのお母さんだった。
「だと思います。篠崎さんは里桜ちゃんのことしか考えてませんので」