イケメンすぎてドン引き!
あの時、何であんなにドキドキしてしまったんだろう。
男慣れしていないんだったら尚更。
あたしはビッチポテンシャルの持ち主なのかもしれない。
嫌だ。体の関係とか、そういうのじゃなくて、
あたしは普通に胸がときめくような恋愛がしたいのに。
「……っく。ひっく」
ブレザーの袖で次々とあふれ出す涙をぬぐう。
やばい。全然止まらない。
どうしよう。
吉野先輩、絶対に困ってるよ。
「もう大丈夫なんで……っ。先輩先に帰っててくださいっ」
「ばーか。そんなことしねーよ」
先輩は気を遣って、あたしの顔をあまり見ないようにするためか、
暗くなっていく空に視線を向けた。
「……吉野先輩も、所詮、あたしのことビッチ開発機に製造されつつある何号かって思ってますよね?」
『モモカちゃん、可愛い』
そう囁いてきたスミスさんを思い出す。
あの時、ボッ! と全身が一気に熱くなった気がした。
うっ。認めたくはないけど。
速くなる鼓動に体も心も支配されていくようだった。