イケメンすぎてドン引き!


でも……何だろう、この気持ち。



さっきスミスさんに触れられた時とは違う。



体の中にじんわりと心地の良い温もりが広がっていくよう。



ゆっくりと先輩はあたしの頭に手を滑らせる。



「こういう風に触られるの、嫌?」



「えーと……苦しいです」



「嫌かどうか聞いてるの」



「ううん。安心……します」



もう先輩の目は見れなかった。


絶対に顔が赤くなっているはずだし。



先輩は「ばーか」と言って、あたしの頭に乗せている手に、くしゃっと力を込めた。



それから、



「そんな素直に安心するって言われると、男としてはちょっと複雑だな……」



という先輩の声が、夕暮れ空に溶け込んでいった。





< 103 / 262 >

この作品をシェア

pagetop