イケメンすぎてドン引き!
でも……何だろう、この気持ち。
さっきスミスさんに触れられた時とは違う。
体の中にじんわりと心地の良い温もりが広がっていくよう。
ゆっくりと先輩はあたしの頭に手を滑らせる。
「こういう風に触られるの、嫌?」
「えーと……苦しいです」
「嫌かどうか聞いてるの」
「ううん。安心……します」
もう先輩の目は見れなかった。
絶対に顔が赤くなっているはずだし。
先輩は「ばーか」と言って、あたしの頭に乗せている手に、くしゃっと力を込めた。
それから、
「そんな素直に安心するって言われると、男としてはちょっと複雑だな……」
という先輩の声が、夕暮れ空に溶け込んでいった。