イケメンすぎてドン引き!


どきどきどきどき。



先輩はあたしに合わせて、いつもより歩くスピードを抑えてくれている。



にも関わらず、あたしの心臓は高速で全身に血液を送り出している。


しかも熱いやつを。



温泉だったら完全にボコボコに沸騰してるよ、これ!



何だよ! 昨日はキレて、凹んで、泣いていたくせに。



今日は、ビビりながらも、あたしなんかのために頑張ってまた怒ってくれて。



――どうしよう。



さっき、先輩が頬を赤く染めながら、不機嫌そうな顔をした時、

あたしはその体にぎゅっと抱きつきたくなる衝動に駆られてしまったのだ。



昨日、スミスさんに抱きしめられた時とは違う。



自分から手を伸ばしたくなった。



愛おしいなぁと思って、もっと触れたくなった。



――いやいやいやいや!



目を覚ましなさいモモカ!



あんなイケメンさんとあたしなんかが心の距離が友達よりも近くなるわけがない!



ほら、リニアが通れば、東京―大阪間が更に近くなるっていうけど、

結局のところ、瞬間移動とかワープとかはできないんでしょ?



たぶん……



あたしがもっと可愛くて素直で天然で無自覚な良い女の子だったら、


今この時点で、



先輩のことを好きになってもいいんだと思う。











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