イケメンすぎてドン引き!







「調子に? 乗ってないですないですないです。むしろもともとそんなの無いっす!」



たくさんの甘い香りと影に包まれながら、

あたしは勢いよくブンブンと顔の前で手を振った。



危なく目の前の女子を往復ビンタしかけそうになり、勝手に1人で更にビビってしまう。



「おめーみたいなくせーブスが吉野先輩に近づいたら、先輩に汚物菌が移っちゃうよねー。やめてくんない?」


「本当目障りだよねー。吉野先輩だけじゃなくてスミス先輩にも近づこうとしてるんでしょ?」



昼下がりの体育館裏にて。


あたしは派手派手しい女子ーズに囲まれていた。



「おめー、先輩とのコネできてるからって、絶対うちらのこと見下してるっしょ」


「いやいやいやいや、そんなわけないじゃないっすかぁ……」



「本当は先輩のラインとか知ってんじゃねーの?」



いつぞや、先輩の連絡先を知りたがっていたクラスのミーハー女子軍団は、


何と他クラスの女子も巻き込み、立派なワルの女子一派に成長していたのだ!


(きっと上場企業もびっくりなM&Aを繰り返したのだろう)



「こいつオブチじゃなくて、汚物でいいんじゃね?」


「ぎゃははは! そーだね!」



おーぶつ! おーぶつ! おーぶつ!



笑い声と手拍子とともに、汚物コールが始まった。




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