イケメンすぎてドン引き!
そして、ぷっと笑った後、2人はこう口を開いた。
「うちらさー、やたら吉野クンにキャーキャー言ってる女子が嫌いなだけだし。
吉野クンっていっつもニコニコしてるけど、ああいうヤツらのせいで裏では絶対疲れてそうじゃん」
「スミスくんから聞いたけどぉ、オブチさんって他の女子と違うらしぃじゃん~。
吉野クンが楽しそうだったらあたしたち全然OKだしぃ」
ユカリーヌだかカトリーヌだか、花子だか太郎だか知んないけど。
実は、きみたち、いいヤツ?
先輩はちゃんと良い友達に囲まれているらしい。
☆
その日の放課後。
先輩と向かったのは国道沿いのネカフェ。
どうしても読みたい漫画があるとのこと。
「お前、なんでそんな挙動不審なの?」
あたしは鳩のようにクイックイッと首を揺らしながら、店内に入る。
いや、ほら、だって。
こういう放課後デートっぽいことしてるの、先輩ファンに見つかったら人生終了じゃん?
「そう言う先輩こそ、さっきからそわそわしてません?」
「や、同じ学校のヤツとか知ってる人いないよなーって」
そう言って、先輩はキョロキョロしながら少女漫画コーナーに立ち入り、
『魔女っ子ランデヴー♪』の最新刊を手にした。
すげー怪しい人に見えるんですけど!