イケメンすぎてドン引き!


そして、ぷっと笑った後、2人はこう口を開いた。



「うちらさー、やたら吉野クンにキャーキャー言ってる女子が嫌いなだけだし。

吉野クンっていっつもニコニコしてるけど、ああいうヤツらのせいで裏では絶対疲れてそうじゃん」



「スミスくんから聞いたけどぉ、オブチさんって他の女子と違うらしぃじゃん~。

吉野クンが楽しそうだったらあたしたち全然OKだしぃ」



ユカリーヌだかカトリーヌだか、花子だか太郎だか知んないけど。


実は、きみたち、いいヤツ?



先輩はちゃんと良い友達に囲まれているらしい。







その日の放課後。


先輩と向かったのは国道沿いのネカフェ。



どうしても読みたい漫画があるとのこと。



「お前、なんでそんな挙動不審なの?」



あたしは鳩のようにクイックイッと首を揺らしながら、店内に入る。



いや、ほら、だって。


こういう放課後デートっぽいことしてるの、先輩ファンに見つかったら人生終了じゃん?



「そう言う先輩こそ、さっきからそわそわしてません?」



「や、同じ学校のヤツとか知ってる人いないよなーって」



そう言って、先輩はキョロキョロしながら少女漫画コーナーに立ち入り、

『魔女っ子ランデヴー♪』の最新刊を手にした。



すげー怪しい人に見えるんですけど!


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