イケメンすぎてドン引き!
2人がけのソファー席。
先輩の隣に座ると、ふわっと体が沈み、爽やかな香りに包まれた。
「……っ!?」
急に先輩はあたしのすぐ後ろの背もたれに肘を置く。
びっくりした。肩を後ろから抱かれるような、妙な感覚に陥ってしまった。
……えーと、これ結構近すぎじゃありません?
しかし。
ちらっと先輩を見ると、彼は真剣に『魔女っ子ランデヴー♪』の世界にのめりこんでいるようだ。
はぁ、とため息をつきながら、
あたしもこっそり『ときめき☆スーパー俺様☆王子様』の最新刊を開いた。
「…………」
やべえ。これ超やべぇ。ウホッ!
あたしが、王子様の王子様っぷりに興奮していると。
「えーと、何々? 『お前は黙って俺に抱かれてればいいんだよ』」
「きゃっ!」
突然、漫画の中のセリフが、耳元で囁かれた。
「『何? 言葉だけでもう感じちゃった?』」
「~~っ!!」
耳に息がかかるほどの近さで発される、イケメンボイス。
びくっと体が反応してしまい、どっどっどっど、と心臓が高速のビートを刻み始める。