イケメンすぎてドン引き!
「先輩おはようございます」
いつもの石畳の道を進みながら、あたしは先輩の顔をのぞきこんだ。
「あ、おは……プイッ!」
うわーなんて分かりやすい避け具合なんだ。
あの女子軍団に殴られてから、なぜか先輩が冷たい。
そういえば……
ちょっとは先輩を立てろよお前、って言われたような。
「あの、吉野先輩、今日もイケメンですね!」
「…………」
「ちょっと髪の毛明るくしました? 夏先取りって感じで似合ってますよー」
「…………」
「そういえば、もうすぐあそこの神社のお祭あるんですよ。先輩浴衣も超似合いそうですねー」
「あーもう! 朝からピーピーピーピーうるさいピー! じゃなくて、うるせーよ!」
よく分からないけど、とりあえず先輩はちょっと動揺しているようだ。
それにしても、あたしのこと避けたいんだったら、いつもより早めに学校行けばいいのに。
結局、無言の先輩と一緒に学校へ向かうハメになっていた。