イケメンすぎてドン引き!


「いやいやいやいや! ほらあたしみたいなショボい女、先輩と全然つりあいませ……」


目の前でキャピキャピしているイケてる3人組に、あたしは反論しようとした。



その時、



「あれー? みんなここにいたんだ! 俺も何か買おうかなー」



廊下の奥から聞こえたのは、吉野先輩の声だった。



ちょうど自販コーナーの人の波が途切れ、このエリアにはあたしたちだけになっていた。



じゃ、うちらドロンするねぇ、とユカリーヌが合図したと同時に、


さっと3人はどこかに行ってしまった。



「え、ちょっと待って……」



今先輩と気まずい状態なんだってばーー!



「…………」



先輩は残されたあたしの姿を見るなり、無言になる。



「あの、吉野先輩……」


「……(プイッ!)」



あー避けられてる。



そうだよね。あれだけ迷惑かけたんだしね。



「あの、すみませんでした! この前は運んでもらったり病院連れてってもらったり」



視線が重ならないままだけど、あたしは先輩にそう伝えた。



がこん、と自販の中でコーヒー牛乳が落ちる音が鳴る。



先輩は、それを取った後、ゆっくりとあたしの方を見た。



「で、祭っていつ? 俺、浴衣着てもいいの?」



よく分かんないけど、

先輩はあの神社のお祭を楽しみにしているらしい。




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