イケメンすぎてドン引き!
外には夕焼け空が広がっているようで、
部屋の窓越しに、あたしと先輩の間にオレンジの光が差し込んでいる。
「先輩……」
「うるせー何も言うな」
「別にたいして恥ずかしがることじゃないじゃん」
「…………」
ベッドに腰をかけると、ふわりと体が上下に揺れる。
先輩は腕で自分の顔を隠しながら、視線をあたしに向けた。
「あーそーだよ。俺は別に昔っからイケメンってわけじゃねーんだよ」
「でもよく見ると、やっぱ顔は整ってる感じするかも」
「うるせーな」
「何で見せてくれたんですか?」
「お前に分かってもらいたかったから」
「え」
「ほら、前に俺のことチヤホヤされて人生イージーモードで生きてきたクソ貴族って言ってたじゃん」
ん……?
あ、そういえば!!
『先輩ってどうせ今までチヤホヤされて人生イージーモードでやってきたんでしょ? どうせあたしなんかよりレベルの高い美女はべらせて毎日ヨロシクやってんでしょ? んで、ちょっとそれに飽きたら、あたしみたいなゾウリムシ捕まえて、棒でつんつんする等、いじめるようなことしてストレス発散するってことですか!? はいはいワロスワロス』
いつぞや先輩を超ディスってしまったことを思い出し、さぁーっと血の気が引いてしまう。
(よくあんなに次から次へと暴言が思いつくな……あたしの口は。)