イケメンすぎてドン引き!
「写真、ドン引きしたっしょ」
「別にしませんよ。ちょっと面白かったけど」
そう言うと、ちっ、と舌打ちをされた。
目線は鋭いけど、頬や耳は赤く染まったままの先輩。
それに対し、口元がゆるみそうになるのを我慢するあたし。
「むしろ先輩がすごい近い存在に感じました。何か、ありがとうございます」
あたしがそう言うと、先輩は視線を外しながら、
「あーあ。やば、俺……お前いないと生きていけないかも」とつぶやく。
「別に先輩が良ければ、あたしがずっと近くにいてもいいんですよ?
あ、でも先輩は来年どっか大学行くんですよね。ちょっと離れちゃうか……っ」
途中であたしは言葉を止めた。
先輩の手はゆっくりと伸ばされ、あたしの髪の毛に触れていたから。
すっと先輩の指が耳に触れ、体がびくっと反応してしまった。
「この前……」
「え?」
「こうやって髪の毛あげてたの、似合ってた」
「……徹子って言ったじゃないですか」
「いや、よく見るとたまねぎ型にするには、ボリューム足りないかも」
さっき見た中学の卒アルには絶対に映っていないだろう、
軽く目を細めたおだやかな表情、その感情は、今あたしにだけに向けられている。
そのまま優しく、頬側に落ちていた髪の毛を後ろにとかしてくれる先輩。
指が通されるたびに、先輩の感触が体にどんどん溶け込んでいくよう。