イケメンすぎてドン引き!


何だろう。


自分が自分じゃなくなっていくみたい。



髪の毛や、耳や頬。そこに意識が集中してしまう。



だめだ、もう目……合わせられないんだけど。



喉がカラカラになっているようで、無意識のうちに生唾を飲みこんでいた。



しかもここは、先輩がいつも寝ているベッドの上。



そう考えると、顔から火が噴き出そうになるけど、

優しく頭を撫でられている感触が、どんどん気持ち良さを増していく。



「お前も、俺に何か言いたいことあったんじゃねーの?」



「へぃ?」



「俺はちゃんと言ったよ。黒歴史公開したじゃん」



頭に手を置かれたまま、先輩にがっつり見つめられてしまう。



これは……


絶対に逃がしてくれないご様子。



それか、ここで話題をそらしたら不機嫌になるかヘコまれるかどっちかだ!



「……うー、その」



先輩ともっと一緒にいたい。


またその手に、腕に、体に触れたい。


ぎゅっとまた抱きしめてもらいたい。



……って、そんなこと言えない言えないっ! 



でも――



『……俺にはちゃんと本音吐けよ。モモカ』



前にそう言ってもらったことを思い出す。



うわああ、だけど。


触れたいとか変態すぎるって!



――あ。


これなら言えるかも。




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