イケメンすぎてドン引き!
「やっぱアルバム見せなきゃ良かったわ! まじ腹立つ!」
「ぎゃーっ!」
先輩にわき腹を勢いよくつままれてしまう。
前よりも肉が減ったせいか、くすぐったさを直で感じてしまい、
色気マイナス的な叫び声をあげてしまった。
その手を剥がそうとすると、逆に手首をつかまれてしまう。
そのままベッドに沈められていた。
「すんません。でもその写真、めちゃくちゃいい笑顔じゃないですか~」
「……モモカ」
夕日は沈みかけているようで、部屋の中はオレンジとグレーが混ざったような色をしていた。
ゆるまっていく光による先輩の影が、あたしを包んでいる。
え。
え、え、え!?!?!?
いつの間にか、完全に先輩に押し倒されているような状態に。
彼はそのままあたしの顔を間近で覗きこんできた、と思いきや。
「俺、こんなんだけど……ずっと近くにいてくれるの?」
かすれた声でそうつぶやく。
鬱モードでも、俺様モードでも、イケメンモードでもない、
触れたら壊れそうで、でもあたしを全て見透かそうとしているような表情。
どくん! と一気に心をわしづかみにされたような感覚になった。
せっかく落ち着いてきたのに、どんどん顔も体も熱くなっていく。
ちょ、突然どんなことを聞いてくるんですか?
しかも、こんなに顔、近づけられたことないし!