イケメンすぎてドン引き!



「えっと、あ、はい……」



あたしを捕えて離してくれない、真剣なまなざしにどんどん体が熱されていく。



どうしよう……今絶対顔真っ赤になってる。



「じゃあ、友達やめよ」



「……え」



「俺の彼女になって」



おでこがくっつきそうな距離で囁かれた声に、

体の芯の部分がとろけるような感覚がした。



――か、彼女?



更に、先輩の顔が近づいてくる。



それよりも、これって……まさか!



あたしは肩をきゅっとすくめ、目を必死につぶることしかできなかった。



どうしよう、どうしよう、どうしよう!



こういう時って自然にまぶたを閉じなきゃいけないんだろうけど、

そそそ、そんな余裕ないし!



思いっきり目を閉じちゃったし、眉間にしわが寄っているかも。



真っ暗になった視界に、夕暮れの光が残像として浮かぶ。



しかし、それはフラッシュのように点滅していて、頭の中を混乱させていった。




このまま……本当に、いいの?




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