イケメンすぎてドン引き!


「あ、吉野先輩……!」



あたしが驚いてそう声を出すと、彼はぷいっと顔をそらした。



キラキラと咲いているその花たちとは対照的。



普段はバラが散っているかのように見えるイケメンは、ふてくされたような表情で

「へー。そういうことね」とつぶやいた。



さすがにノリ坊との会話は届いてないと思うけど、

さっき、腕をつかまれて、肩ズンもされた。



まままままさか……ばっちり見られた!?



そして、変に誤解されてる?



「えっと……」



「お似合いじゃあないですか、オブチさん」



「は? 別にそういうのじゃないです」



「おめでとうございます。初彼氏ですか?」



「違いますって」



「あ、だったら俺、あんまりオブチさんの近くにいない方がいいですよね?」



あたしから視線をそらしたままだけど、口数だけは多い先輩。



なぜ勝手に話をそう進めるんだよ。



くぬぁあああーーめんどくせぇーーーー!




< 209 / 262 >

この作品をシェア

pagetop