イケメンすぎてドン引き!


「だから、違うって言ってるじゃん!」


と、思わず声を荒げてしまうと。



「……はぁー、俺バカみたい、ってかバカだわ」


と低い声で言いながら、

吉野先輩は超ダッシュでどっかに消えてしまった。



黄色やオレンジが花壇の上で風にそよそよとなびいている。



上手く体が動かせなかったあたしは、その様子をボーっと眺めるしかなかった。



しかし――。



「ねーさっきの見た?」


「吉野くん、様子変じゃなかった?」



まわりを見渡すと、下校中の生徒がちらほらと目に入った。



あ……やばい!



今、先輩ともめてたの、見られちゃった?



しかも彼の去り際の表情――


たぶん鬱モードに入りかけたやつっぽい。




嫌なリズムで心臓の音が鳴り始めた。





episode7
『イケメンのキャラ崩壊。』







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