イケメンすぎてドン引き!
「先輩ひどい。ひどすぎ! おかげであたし副委員長になっちゃったじゃないですか」
委員会の役員決めの時、吉野先輩はあたしを売った。
『3年生は勉強も忙しくなるし、あたしがやりますって、オブチさんが言ってます。いやー本当にありがたいよー!』と。
(その後、全員が拍手)
副委員長って、色々と仕事あるんでしょ?
はぁ超めんどい。
「だってお前は俺の顔に泥を塗っ……いや、泥だけじゃない、汚物も塗りたくったし当然だろーが」
「塗りたくってないです! てか、あれは事故ですから!」
「ああん? 事故でも犯罪だ犯罪。ぎょーむじょうかしゅつ、ってヤツだバーカ!」
――んん?
「あれ、先輩今噛みましたよね? 噛みましたよね?」
プークスクスと笑いながら、先輩の顔を覗くと、
「てめぇ、踏み潰すぞ。そのブサイクな顔、つぶして2次元にしてやんよ!」
と、先輩がキレだしたため、逃げる準備を始めた。
しかし、その時――
「あ、吉野クゥ~ン! いたいたぁ!」
突然、廊下に甘ったるい声が響いた。