イケメンすぎてドン引き!
「ねぇねぇ、この後ヒマ~? みんなでマック行くんだけどぉ」
ゆるっとふわっと茶髪を巻いた、3年生らしき女子が、手を振りながらこっちに向かってきている。
白い肌に長いまつ毛、プルップルの唇。
ふわふわしたオーラ。
ほわぁ、可愛い。
まるでクッションの中身みたいな女の子だぁ。
「うん、ひまだよー。俺も行っていい?」
吉野先輩は、急にイケメンオーラを放出させ、
キラキラとした笑顔で、再びバーチャルなバラの花を顔まわりに散らしていた。
「やったぁ! みんな待ってるし行こ行こぉ~」
そのゆるふわ女子は、ちらっとあたしを見た後、
しれっと吉野先輩に腕を絡め、さくっと彼を連れ去っていった。
「…………」
ガヤガヤとした廊下にあたし1人が残される。
遠ざかる2人の後姿を眺めながら思った。
どうせあたしなんか、吉野先輩みたいなイケメンと、
心の距離が接近することは一生ないだろう。
先輩には、今のゆるふわ女子みたいな美女がお似合いかと思われます。